概要
一日葬は、通夜を省略し、告別式と火葬を1日で行う葬儀形式。一般葬や家族葬のように2日間にわたらないため、遺族の体力的・時間的な負担が軽減される。鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」によると、選択率は10.2%。
選択肢・バリエーション
- 宗教儀式あり一日葬: 告別式で読経・焼香等の宗教儀式を行う
- 無宗教式一日葬: 宗教的な儀式を行わず、献花やお別れの時間を設ける
- 家族のみ一日葬: 少人数の家族だけで実施。家族葬と一日葬の組み合わせ
費用の相場
鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」によると、一日葬の平均費用は約87.5万円。
費用の主な内訳
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 葬儀一式(祭壇・棺・骨壺・搬送等) | 30万〜70万円 |
| 式場使用料 | 5万〜20万円 |
| 飲食接待費(精進落としのみ) | 5万〜20万円 |
| 返礼品 | 3万〜15万円 |
| 宗教者へのお礼(お布施等) | 10万〜30万円 |
※ 通夜がないため、通夜振る舞いの飲食費と式場の2日分の使用料が不要。ただし宗教者へのお礼は一般葬と変わらない場合もある。お布施の相場についてはお布施・戒名の費用相場を参照。
費用を抑えられるポイント
- 式場使用料が1日分で済む
- 通夜振る舞いの飲食費が不要
- 遺族の宿泊費がかからない
手続きの流れ
法的な手続きは一般葬と同じ。スケジュールが1日に圧縮される点が異なる。
- 死亡確認・死亡診断書の受け取り
- 死亡届の提出 — 死亡を知った日から7日以内に市区町村役場へ
- 火葬許可証の取得 — 死亡届と同時に申請
- 葬儀社への連絡・打ち合わせ — 一日葬プランの選択
- 安置 — 死後24時間は火葬できないため(墓地、埋葬等に関する法律第3条)
- 告別式 — 午前中に実施するのが一般的
- 出棺・火葬・収骨 — 告別式に続けて同日中に実施
- 葬祭費の申請 — 国民健康保険加入者の場合
葬儀後の相続手続き(死亡届以降の期限管理・相続税申告など)については相続の基本手続きを参照。死亡保険金や高額療養費の請求については生命保険・医療保険の手続きを参照。
必要書類
一般葬と同じ(死亡診断書、死亡届、火葬許可申請書、葬祭費支給申請書)。
自治体の支援制度
一般葬・家族葬と同じ支援制度が利用できる。
- 国民健康保険の葬祭費: 多くの自治体で5万円
- 後期高齢者医療制度の葬祭費: 自治体により異なる(5万円が多い)
- 健康保険の埋葬料: 5万円
注意点・よくあるトラブル
- 式場の確認: 一日葬に対応していない式場がある。特に寺院では通夜を行わない形式を受け入れないケースもある
- 宗教者の考え方: 菩提寺によっては、通夜を省略することに対して否定的な場合がある。事前に相談しておくことが望ましい
- 参列者への配慮: 1日のみの日程になるため、遠方の参列者が日帰り参列しにくい場合がある
- 葬儀社の価格表示: 消費者庁は葬儀サービスの価格表示について行政処分を行った事例がある。「一日葬〇〇万円〜」の内訳を確認する
調べてみて気づいたこと
一日葬の選択率は10.2%で、4形式の中では3番目。通夜を省略して1日で完結する合理的な形式だが、選択率はまだ低い。調べてみると、一日葬を受け付けていない式場や、通夜なしに対応していない宗教者がいるという事情が影響しているようだ。
費用面では、式場使用料が1日分で済むメリットがある一方、基本的な式の構成(祭壇・搬送・火葬・宗教者へのお礼)は家族葬と変わらない。「通夜を省くから半額になる」わけではなく、削減できるのは式場の追加日数分と通夜振る舞いの飲食費が中心であることが、費用内訳の比較から見えてくる。
出典・公式情報リンク
出典: 鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」(2026年3月閲覧)
出典: 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」(2026年3月閲覧)
出典: 横浜市「葬祭費の支給」(2026年3月閲覧)
調査カード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査日 | 2026年3月22日 |
| 調査範囲 | 一日葬の費用相場・手続き・自治体支援制度 |
| 主な情報源 | 鎌倉新書全国調査、厚生労働省、各自治体公式サイト |
| 未調査項目 | 地域別の費用差、一日葬対応式場の割合 |